ガンダム好きが機動戦士ガンダムSEEDを紹介しつつ、日本に蔓延しつつある優生学を批判する記事

かとさよ

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サブカル
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かとさよ
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パリーーーーン!!

は?

かとさよ
かとさよ

い、いえ

ガンダムSEEDだったので、種が割れるところを

見てない人はわからないんだからやめろ

では改めまして

今回は、ガンダム好きの匿名さんからです

相模原の事件を起こした植松聖への擁護と同情が聞こえはじめてから漠然と見え隠れしていたが、今年に入って大西つねきの「命の選別」RADWIMPS野田洋次郎の「優秀な遺伝子を持つ人たち同士で子供を作ろう」という発言に対する多くの賛同の声を見て、この国に優生学に親和的な人が増えていると断言せざるを得なくなった。

優秀(と判断された)な人間を増やし、劣った(と判断された)人々を減らすとするのが「優生学」もしくは「社会ダーウィニズム」と呼ばれるものである。

優生学のおおもとになったのは、ダーウィンの種の起源、それとメンデルが発見した遺伝の法則だ。生物は環境に適合したものが生き残り、生物の形質は祖先から受け継がれるという生物学の基礎だ。

この優生学をテーマに取り上げたのが、今回紹介する「機動戦士ガンダムSEED」だ。

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ガンダムSEEDとは?

作品の大まかな流れはこうなる。

第三次世界大戦後、世界のブロック化が進んだ未来にジョージ・グレンという一人の男が現れる。彼は学問、スポーツ、科学者、軍人、あらゆる部門で一流の活躍を遂げ、時のヒーローになった。そして彼は仲間たちと共に自ら設計した宇宙探査船に乗り込み、木星へと向かう。しかし、地球を離れる直前に全世界に対して「自分は受精卵の時点で遺伝子を操作されて生まれた存在」だと告白し、同時に遺伝子操作技術を世界に開示した。人類は遺伝子操作で生まれた「コーディネーター」自然のままに生まれた「ナチュラル」の二つに分断され、やがて宇宙と地球に分かれた両者の対立は戦争を引き起こした。中立国のコロニーに住む主人公はナチュラルとコーディネーター戦争に巻き込まれていく…

ガンダムSEED(及び続編のDestiny)において、他のガンダム作品とは決定的に異なっていることがある。それは戦う理由が敵勢力の殲滅になっている点だ。他作品を見ても、地球からの独立、戦争根絶、地球とコロニーを含む世界統一、世界の主導権を決めるために地球を舞台にガンダムでプロレス、武力侵攻による地球への帰還、武力介入による戦争根絶、安心して生きるための居場所を求めるなどと様々だが、いずれにせよ戦争は手段であり目的ではない。

しかし本作において戦争は手段であると同時に目的でもある。その大元になっているのが「コーディネーター」と「ナチュラル」の対立だ。

どちらも同じ人間であり外見で見分けはつかないが、遺伝子操作によって誕生したコーディネーターは生まれつき高い素質を保有居ているため、ナチュラルでは困難なことをいとも簡単にこなせてしまう。例えば作中で主人公キラは戦闘中に機体のプログラムを書き換えるという離れ業をやってのけた。

ナチュラル側には「ブルーコスモス」という反コーディネーターを掲げる団体、思想がある。初めの主張は「自然の摂理に反して生まれることは許されない」だったが、やがて「生まれつき能力に差があるなんてずるい」という妬みの感情へと変貌していく。ブルーコスモスはコーディネーターと、コーディネーターを作る科学者たちへテロを繰り返し、そのシンパは軍上層部にまで広がっている。

一方のコーディネーターは主に宇宙開発で活躍していたが、どれほど努力して成果を上げてもナチュラルの国家が利益を横取りすることへ不満を覚え、やがてなぜ自分たちより劣る存在に従わなければならないのかという見下す思想が広まっていく。

互いの存在が認められず、どちらも同じ人間という認識も失われた両陣営の争いは絶滅戦争へと変貌していく。特に作品後半では両軍ともに戦闘後に捕虜の虐殺が相次ぎ、最終的に互いに核ミサイルと核レーザーといった大量破壊兵器を撃ち合い、これが絶滅戦争だと印象付けられている。

作品後半、ジョージがもたらしたコーディネーターの技術が、まさに優生学に基づいて使われたと描かれている。眼や髪の色、持たせたい才能。親たちは高い金をかけてまるで商品にオプションを追加するように子供のデザインを依頼しているのだ。もし流産すれば遺伝子調整企業に抗議、生まれても依頼した「性能」をしてなければ捨てることも横行するようになる。外伝作品に捨て子だったコーディネーターのキャラクターが登場するが、捨てられた理由が「注文した目の色が違ったから」というところがまさに狂気である。

優れた容姿、高い頭脳、五輪選手並みの身体能力、病気に強い体。子供のためといいながら、それは結局のところ生み出す側のある意味で身勝手な願望なのではないか。

コーディネーターと積極的優生学

物議をかもしている※RADWIMPS野田洋次郎の発言だが、あれは優れたものを後世に残すことに重点を置いた「積極的優生学」そのものだ。コーディネーターはまさにこの「積極的優生学」に基づいて誕生している。

野田洋次郎 午後10:18 · 2020年7月16日(Twitter)

前も話したかもだけど大谷翔平選手や藤井聡太棋士や芦田愛菜さんみたいなお化け遺伝子を持つ人たちの配偶者はもう国家プロジェクトとして国が専門家を集めて選定するべきなんじゃないかと思ってる。 お父さんはそう思ってる。

#個人の見解です

本作では優れた能力を持つ者が真に優れているのか疑問を提示している。

例えば先述したようにコーディネーターは捕虜虐殺を自ら喜々としてやっている。かたき討ちだろうが何だろうが、非人道的行為を平然と実行する存在がナチュラルの上位種を名乗るなどちゃんちゃらおかしい。

さらに、コーディネーターは遺伝子が複雑化した結果受精卵が誕生しにくくなっており、婚姻統制(基本的人権の侵害)をしてなお、生まれる子供の数は先細りしているという(実際にそうなるかは不明)。

地球上に繁栄したあらゆる生命に共通するのが、「子は親世代よりも多く生まれる」という点だ。生命が自分の種族の存続を目的にしている以上、生まれてから成長して孫世代を産むまでに最低でも親世代と同規模を残す必要がある(ちなみにアマガエルが生む卵の数は200から300。理由は成長過程で大半が死ぬため)。その点を踏まえると、間違いなくコーディネーターは生命の原則を外れた種族だ。

「すでに未来を作れぬ私たちの、どこが進化した種だというのでしょうか」

作中でヒロインのラクス・クラインが呼びかけた言葉が正鵠を射ている。

このコーディネーター少子化設定だが、元ネタとなったと思われる遺伝子がある。それが「鎌状赤血球」である。この遺伝をもって生まれた人は貧血を引き起こしやすいが、同時にマラリアに対して恐ろしいほどに耐性を保有している。もし世界中で現在のコロナのようにマラリアが大流行しようものなら、一転してこれまで「劣った種」とみなされた鎌状赤血球の人間が「優れた種」になるだろう。

忘れがちだが、ダーウィンは種に優劣があるのではなく、環境に適合した種が生き残るとした。恐竜絶滅も哺乳類の繁栄もその種が環境にぶつかった結果である。

そもそも遺伝子がすべてを決定するかのような主張は乱暴きわまりない。

例えば音楽の才能に特化されたコーディネーターがいたとして、その人間が生まれてから死ぬまで音楽という存在そのものを知らない環境で過ごしたらどうだろう。どれほど潜在能力があろうとそれが一生開花することはないだろう。

遺伝子という潜在的要因ばかりが重要視され、周囲の環境や出会った人間といった外的要因がまるで無視されている。

もっといえば、天才の才能は本当に遺伝子によるものなのだろうか。彼らの遺伝子の隅から隅まで調べ上げたわけではないのに、なぜあたかも遺伝するもののようにいうことが出来るのだろう。

才能、遺伝子、功績、生産性。冒頭で取り上げた三人は、人間をそういった「役に立ちそうな」構成要素の塊でしか見ていない。

彼らのように才能だけを見て評価するのであれば、その人から才能が失われた瞬間に一切の見向きをしなくなるだろう。

優生学の信者が見逃しがちだが、どれほど優秀な能力を詰め込もうと、それが人格――「魂」と言い換えてもいい――に直接的影響をもたらすことはできない。

それを端的に表しているのが

「力だけがぼくのすべてじゃない」

多くの才能を持つがゆえに人間からねたまれ、それだけを見られてきた主人公の悲痛な叫びだ。

能力だけを見られる世界とは、人を人として見ない世界と同義なのだ。

記事を書くにあたって参考にした動画:

【機動戦士ガンダムSEED】キラ視点でゆっくり考察 1クール目編
【機動戦士ガンダムSEED】キラ視点でゆっくり考察 1クール目編 機動戦士ガンダムSEEDを、キラの視点で考察してみました。2クール目編:sm273083583クール目編:sm274...

追記:ガンダムSEEDには少なくないエロとグロの表現があります。耐性がない人は注意してください。

コメント

  1. トリ食えば名無し より:

    これ監督がネトウヨのやつだろ?だから急にアニ豚はブヒんなよ
    ネトウヨだけ叩いてろ

  2. トリ食えば名無し より:

    よく考えたらさ、藤井聡太棋聖って、優生思想的に考えたらむしろ「残されない側」なんじゃねえの?
    こういう言い方すると良くないんだけど、遊びに人生浪費してる代表格だろ?
    人間という種の繁栄と存続って観点だと、むしろ真っ先に見捨てなきゃならん人間になっちまうぞ。

  3. トリ食えば名無し より:

    わざわざ手を加えんでも容姿や能力その他諸々、その時代に評価される何かしらの面で秀でてる奴の遺伝子は自然に残っていく
    逆に優生思想を叩いといて一方で遺伝的多様性の為に本来なら絶えてた遺伝子を保護しようとするのは不自然でありダブスタであるとも言える

    • トリ食えば名無し より:

      確かにそういわれればそうだな。
      ただそうすると、「不自然/自然」ってなんなんだろうな。

      「人間の営みだって自然の一部」って言葉に正しさを感じる一方で欺瞞性も感じるのと繋がってるんだろうけど・・・。

  4. トリ食えば名無し より:

    トリ食えば名無し
    2020年7月28日 22:53
    それを本人が否定するのが作品のキモなんじゃねーの?

    見てないの丸わかり

  5. トリ食えば名無し より:

    ラスボスのラウさん、道具として産み出されたことを逆恨みして、ナチュラルとコーディネーターの争いを煽って世界を破滅させようとするけど、
    ナチュラルなのにMS操縦技術はコーディネーターの誰にも負けてないし、10歳近く年下の女子学生とおセッセしといて「私には世界を滅ぼす権利がある!」とかイキり出すの本当に面白いからすき

    • トリ食えば名無し より:

      見てないなら無理するな?

    • トリ食えば名無し より:

      ラウは破滅が目的じゃないで
      あいつは世界を加速させてるだけで滅ぼしたくない気持ちと滅ぼしたい気持ちの両方がある
      だから賭けの手段を取ってて天の采配に任せてた
      ラウの思想はヤキン戦の演説以外にも続編の29話の回想でわかるけど、一貫して虚無的であり、人の業を主題としたもの

  6. 今日からパ翼 より:

    ガンダム すきなんやな
    おもろいと思ったことない
    あまり見てないが
    第08MS小隊だけは面白かった

    • トリ食えば名無し より:

      根本的な所から学んでない。言ってることはあっているが、「天才は、遺伝子によって生まれることは無い」という研究結果は、もう既にある。それをまず紹介するべきであり、それ無しに語るなど机上の空論。ツッこまれるのは目に見えてる。
      結果がどうだろうと調べもせず語るなど、「ネットで真実」な奴と変わらない。まず学ぶべき

  7. トリ食えば名無し より:

    優勢思想、正しさしか感じない。
    この世で一番幸せなのは、生まれないこと。才に優れ、不妊性で不幸の連鎖を断ち切るコーディネーター、サイコー。リアル実現してほしすぐる

    • トリ食えば名無し より:

      なお現実の優生思想は根拠が希薄な模様
      ただの妄想よ

  8. んsj より:

    真の主人公はサイやけどな。

  9. トリ食えば名無し より:

    コーディネーターの不妊設定は、話をナチュラルとの共存に決着させるための舞台装置として用意したんだろうけど、問題提起を弱めてしまってる気がする。
    仮にコーディネーターに欠陥が全く無かったら、ナチュラルであることの存在意義はどこに見いだすのかな?

  10. トリ食えば名無し より:

    あの、キラヤマトは優生学が正しいとされた世界での究極の完成品なんですが。

    • トリ食えば名無し より:

      それを本人が否定するのが作品のキモなんじゃねーの?

    • ニカ より:

      >それを本人が否定するのが作品のキモなんじゃねーの?

      一言セリフを言っただけで、まったく否定できてないあたりがあの作品のダメなところ
      まともな作品ならキャラクターの行動でドラマを描くよね

  11. トリ食えば名無し より:

    科学がいかに、白人男性を頂点とする結果になるように捏造されたかっていう、
    進化生物学者スティーブン・ジェイ・グールドの本
    「人間の測りまちがい」をもっと多くの人に読んで欲しい。

    • トリ食えば名無し より:

      その系統やと「女性を弄ぶ博物学」とかもお勧めやな
      図鑑において動物のメスや雌花のスケッチが過剰な女性性が付与されとったり、伝統的な女性像こそが本能であるという主張を邁進したり
      科学とイデオロギーが不可分であるという証左

    • トリ食えば名無し より:


      「女性を弄ぶ博物学」じゃないけど別の似た本でも同じような内容が出てたな。

      19世紀あたりかな?
      例えば女性の全身骨格(骸骨)のスケッチは、骨盤が広く肋骨が狭いような、かなり女性性を誇張して描かれていたりしたそうだ。
      その時代のコルセット文化による肋骨の変形もあったらしいけど、それを考慮してもあまりにも異様だった。

  12. トリ食えば名無し より:

    学生ん時リアタイで見てたわ
    コーディネーターに憧れたし、なんの才能もないクソナチュラルに生まれた自分が嫌で嫌で死にたかったし親を恨んだ、現実であっても未だにコーディネーター=遺伝子操作が正義だと俺は思うね。生まれる数が先細るのも万々歳だ。

  13. トリ食えば名無し より:

    エピジェネティクス(後天的な形質変化)って学問領域が実際あるわけで、先天的なファクターだけでなんもかんも決まるなんてのは有り得ないのよなあ。
    優生思想の持ち主見てるとホントに此奴等何も知らんのやな、ってよー分かるで。大学辺りで遺伝学齧ってりゃこんな発想先ず出来へんもの。無知って恐ろしいわ。

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