アフガニスタンで農業支援などに取り組んできたNGO「ペシャワール会」の中村哲医師が武装集団に襲撃され死亡した。
さいたま市で公演中だったU2
「一瞬でいい、皆の思いを寄せよう。偉大な、寛大な国が生んだ、偉大な1人の人間、中村哲医師を追悼して」
中村医師の死への国連の反応
「アフガニスタン人を助けるために人生のほとんどをささげてきた人に対する無意味な暴力行為だ」
彼の死を悼む記事がここ数日多く上がってきている。
一方で自称保守を気取るTwitterアカウントや、5ch掲示板などでは、「9条バリアが効かなかった」などと反吐が出るような言葉が飛び交っていた。


組織的犯罪だというのは入ってきているが、パキスタンなまりであったとか、襲撃後まだ息のあった中村医師へ三発撃ったなど、これから明らかになっていくことが多いだろう。
情報はまだ断片的だ。しかし彼らの中ではこの中村医師の死をどのように扱うのか、結論は決まっている。
これはほんの一部である。中村医師の伝えたかったことを表面的にしか読み取ることができずに「9条バリア」と揶揄し中傷をしているのだ。
なんと浅ましいのだろうか。
『死んだやつの思想など知ったことではない。自分の思想信条の正当性を訴えるためにそいつの思想を踏みつけにして利用してやる』
これが彼らの結論なのだ。
画像として貼ったツイートの一つに「9条とはボディガードのことだ」と、あたかも中村医師が自分からボディガードを付けていたと思わせるような書き振りでの嘲笑がある。
しかしこれも間違っている。
中村医師はボディガードをつけることすら信念に反するとして嫌がっていたが、州知事が身の安全のためにお願いをしたのである。
https://www.asahi.com/articles/ASMD75G71MD7UHBI00R.html?iref=sp_alist_8_03
「武器など絶対に使用しないで、平和を具現化する。それが具体的な形として存在しているのが日本という国の平和憲法、9条ですよ。それを、現地の人たちも分かってくれているんです。だから、政府側も反政府側も、タリバンだって我々には手を出さない。むしろ、守ってくれているんです。9条があるから、海外ではこれまで絶対に銃を撃たなかった日本。それが、ほんとうの日本の強味なんですよ」
https://www.asahi.com/articles/ASMD75G71MD7UHBI00R.html?iref=sp_alist_8_03
過去にマガジン9というサイトの記事において、中村医師はこのように発言していた。
事実タリバーンは今回の犯行は自分たちによるものでなく、ペシャワールの活動内容を理解しているとの声明を出しているのだ。これが中村医師の語っていた日本の強みである。いや、強みであった。
9条が日本人への被害を抑止しているかどうか、0から100かという話にしてしまうのもまったくもって愚かしい。中村医師が語っていたのは非軍事支援が平和をもたらすということである。彼の想いが貶められていることに怒りすら覚える。
https://toyokeizai.net/articles/amp/318423?display=b&_event=read-body
ではなぜ凶弾に倒れたのか。
それこそ知る由もない。情報がまだ出し尽くされてないから結論などおいそれと出すことはできない。
だが中村医師はアフガニスタンにて何者かによって命を奪われ、さらには一部の愚かな者によって思想さえも歪められ殺されかかっているのは事実である。彼に二度目の死に追いやろうとしているのは自称保守のナショナリスト、常に特定の外国への非難しか口にせず、愛国という形のない言葉を神棚に飾り、人権というものを軽視するネトウヨ、そしてネトウヨの言説を真に受けた者たちである。
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コメント
タリバンをさんざん擁護してきた偽善者がタリバンに殺された
イソップ童話に出てきそうな話