富裕層優遇の政策や燃料高騰により不満が高まり、制限速度引き下げが引き金となり大きなデモとなった黄色いベスト運動(Mouvement des Gilets jaunes)。
中国指導部による民主派の排除等、一国二制度が揺らぎ、逃亡犯条例改正案から勃発した2019年香港民主化デモ。物価上昇や格差拡大など問題を抱えて、地下鉄運賃値上げに学生らが反対したことから膨れ上がったチリ反政府デモ。
他にもベネズエラ、レバノン、ジンバブエ、ヨルダンと世界各地でデモが勃発した。
暴動であるのかデモであるのかという些末な議論があるようだ。だがデモとは示威運動であり、集団が公の場で自分の主張を示す行為を指し、暴動とはデモの一部を取り上げた批判的な評価に過ぎない。暴動だからデモではない、という主張はありえないということだ。
日本でも今年になってフラワーデモ、老後2000万円貯蓄問題など様々なデモが行われていた。お客様仕草で画面を眺めながら口だけ動かし不満をぶつけるだけではなく、自ら率先して行動を起こし、主張を表明する市民が増えているのではないだろうかと実感する。
いい風潮である。
偉そうに言う私も、数年前までは仕事やボランティアなどにおいて支援対象と接することで把握した共通課題や社会問題を血肉としてきたものの、特にアウトプットすることなく自己完結させていた。
どこまで自分自身のリソースを割けることができるか。生活との兼ね合いもある。だが私に限っては、一歩踏み出す重圧から過去に患った鬱がまた再発するのでは恐怖心があり、生活を言い訳に使っていた面もあった。
個人的な体験であるが、行動を起こすことは何も怖がる必要がない。足を踏み入れた場所から見えた景色は、踏みとどまっていた場所から見える景色と大差がなかった。ただただ社会生活の延長線なのだ。
一つだけ違和感を覚えたのは、後ろから「にゃー、にゃー」と決して猫ではない猫の鳴き声が聞こえてきたことだろうか。
「取引先とトラブったので憂さ晴らしに」
「カラオケの帰り歌い足りないので」
「バーガーキングのワッパーを食べた分のカロリー消費」
ちょうど自分が問題意識を持っているデモがあれば、今となってはこのついで感覚でお邪魔することもある。
デモに行く経験がない人がよく勘違いしているのは「全員同じ政治思想を持っている」という点だろう。デモ参加者の思想がすべて合致するということはない。当然ながら、気に食わない主張を持つ相手もいたりもする。
しかしそれでも、デモの掲げるテーマ、社会問題をなんとかしなければいけないと問題意識を持っているからこそ、一時的に連帯をしているのである。
さて、話は変わるがどうやら数千単位で集まりそうなデモが、年明けの1月12日にあるらしい。



東京
#OccupyShinjuku0112
#新宿占拠0112
大阪
#御堂筋占拠0112
愛知
#OccupyNagoya0112
和歌山
#OccupyKumanoRever0112
12月7日時点で、デモ開催地は東京、大阪、愛知、和歌山であるが、もっと各地に広がっていくことだろう。全国合わせて何千人参加することになるのだろうか。
このデモの掲げているテーマは「安倍退陣」である。
安倍政権の「どこを」問題だと感じているかはさほど重要ではない。安倍政権が続いていることを社会問題だとして捉えている、安倍退陣を望むのであれば誰しも参加ができる。それがデモである。
たしかに、参加をする時の敷居の高さはある。
ぜひ、今度デモのベテラン参加者にお話を聞いて、「今日から参加できる!はじめてのデモ 5つの心得」のようなレポートを書いて見ようかと思っている。
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